昨年12月の消費者心理は暮らし向きが3カ月連続で改善するなど、小康状態が続いている(AP)【拡大】
内閣府が12日発表した2015年12月の景気ウオッチャー調査は、街角の景気実感を示す現状判断指数が前月比2.6ポイント上昇の48.7と2カ月ぶりに改善したものの、好不況の判断の分かれ目となる50は、5カ月連続で下回った。中国経済減速で家計や企業の心理が萎縮しており、足元の上海株暴落などがこの傾向に拍車をかける恐れもある。外需に頼れない中、消費や設備投資が冷えれば、名目国内総生産(GDP)600兆円を目指す政府の戦略も危うくなる。
景気ウオッチャーの基調判断は、中国経済減速による影響がみられるものの、「緩やかな回復基調が続いている」との見方を据え置いた。
内閣府によると、現状指数の改善は、11月の冬物商戦が暖冬で落ち込んだ反動増の要素も大きい。企業からは「中国の景気動向が悪く、機械の輸出が悪化している」(北陸の輸送業)といった海外経済の失速を指摘する声が上がった。
一方、2、3カ月先の判断を示す先行き判断指数は48.2と横ばいだった。内閣府によると、「足元の良い状態が、先行きは続かないとの見方が多い」という。