
報道陣に公開された先進技術実証機=28日、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影)【拡大】
この関係者は「国産戦闘機を製造できる段階に昇った時点で、防衛技術基盤の発展や費用対効果、企業収益など国益を冷静に勘案し、国産か共同開発かを判断すればよい」と、まずは「国産力」蓄積を目指す方向が基本と考えている。
もっとも、膨大な国防費にあえぐ米国からの共同開発に関する打診は今のところない。が、「国産・共同開発いずれにしても、海外に売り込むスキームは早期に構築しなければ」とも提言する。
仮に国産にすれば開発費は5千億~1兆円超。一方で防衛省は、最低でも4兆円の新規事業誕生+8・3億円の経済波及効果+24万人の雇用創出を試算する。
スキームといえばもう一つ必要だ。前述した武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立による「副作用」対策。3原則に縛られ兵器貿易と貿易管理面で「鎖国」状態だったぬるま湯時代とは違い、「開国」し、日本政府が外国との輸出入に乗り出した現在では必要となった、人材(ヒト)・技術(モノ)・利益(カネ)の流失を防ぐ法的管理スキームがないのだ。
別の関係者は日本メーカーの具体名を挙げ(仮にA社)、「A社と提携関係を切って、ウチに来ないか?と、外国企業に手を突っ込まれる日本企業は次第に増えている」と証言。「開国」がもたらした現状をこう表現した。
「舌なめずりするオオカミがうろつく荒野に置く、ヒツジが閉じこもっていたおりの扉が開いた」(野口裕之)