一方、スイスではある小規模銀行が1月から個人の普通預金にマイナス0・125%の金利を課した。消費者が預金するとお金が減ってしまう、極めて異例の措置だ。
ただ、欧州の大半の銀行は、預金流出を懸念して顧客へのマイナス金利には及び腰だ。超低金利の中、貸出金利は引き下げを余儀なくされるため、各行株は利ざや縮小懸念から軒並み売られ、金融システム不安がくすぶり始めた。
独最大手ドイツ銀行は15年12月期に8800億円の巨額赤字を計上。株価は年初から一時、4割程度も急落し、「ドイツ銀が第2のリーマン・ブラザーズになるのでは」(市場筋)と不安視されている。
これに対し、日銀のマイナス金利の対象は、銀行が日銀に預ける当座預金の一部にとどまる。このため、SMBC日興証券の丸山義正氏は「欧州より銀行の負担を軽くした洗練されたスキーム」と評価する。
ただ、その分規模は小さく、金融市場では失望感が広がった。大和総研の近藤智也氏は「マイナス金利幅を大きくすれば円安・株高効果は期待できるが、銀行経営はより厳しくなる」と懸念を示す。(藤原章裕)