「世界的なリスクが高まると円(日本)が買われ、円高になる」。これはサブプライム問題から一貫した動きであり、今回のドイツ銀行発の欧州金融危機でも同様の動きが起きている。
これは世界の投資家に日本の通貨である円が安全資産としてみられているからであり、日本の信用の証明だ。日本は23年連続の「世界一の純債権国」で、世界中にお金を貸している世界一の金主だ。
さて、今回世界の金融市場で何が起きたのか見ていこう。
まず第1の問題は、チャイナバブルの崩壊だ。世界経済の成長を主導してきた中国、その中国の株価が暴落し、世界の金融リスクを引き上げた。そこにドイツ最大の銀行であり、欧州の巨大資本であるドイツ銀の問題が浮上した。その要因には欧州の分裂危機にまで陥っている難民問題、また、ドイツ経済を牽引(けんいん)してきたフォルクスワーゲンが排ガス問題で経営難となったことなどが挙げられる。