【高論卓説】ドイツ銀ショックと円高 新型債券リスク顕在化 “安全な通貨”円に買い (3/3ページ)

2016.2.16 07:30

 しかし、ドイツ銀問題でこの債券リスクが露見し、それがCoCo債全体のリスクを高める結果(債券価格の下落)になった。ドイツ銀の発行額だけで見れば46億ユーロ(約5800億円)にすぎないが、世界で発行されている総額は約1020億ドルに及ぶのだ。

 今回の問題で、今後、銀行がCoCo債という容易な手段を利用して増資を行うことは困難となる。その結果、金融不安が一気に増大し、株式や債券が売られて「安全な通貨である円」が買われたのだ。

【プロフィル】渡辺哲也

 わたなべ・てつや 経済評論家 日大法卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は「突き破る日本経済」など多数。45歳。愛知県出身

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