『牛肉資本主義』(井上恭介著・プレジデント社刊)【拡大】
中国の「爆食」が、異次元化している
『牛肉資本主義』では、ここ十年余りの間に「牛肉」や「穀物」など「グローバルに売買され流通する食」に起きてきたことが、ここ数年で異様な変質を遂げ、いわば「異次元化」していることを、現場の徹底取材で明らかにしていく。
改革開放政策以来、長年言われてきた中国の「爆食」が、異次元化している。中国政府の指針で食の輸入が正式に解禁され、大手を振って国際市場で買えるようになったことと、世界の工場として外貨を稼いできた勢いがリーマンショックで失われ、食の世界への「転職」が一気に進んだことが、奇しくも機を一にして起き、すさまじい奔流となった。
「ショートプレート」という、大手チェーンの牛丼に使われる、脂身がおいしくて価格が手ごろな牛のばら肉の国際市場に突然異変が起きる。