政府は29日、週内にも開く次の「未来投資に向けた官民対話」で、情報通信技術(ICT)などを活用した農業生産の効率化のための制度整備に着手する方針を固めた。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効を見据えて農産品の生産コストを抑え、国際的な価格競争力の向上を後押しする。このほか、訪日外国人客が高水準で推移する観光産業の底上げなども議論し、名目国内総生産(GDP)600兆円達成へ向けた成長戦略の取り組みを強化する。
官民対話は安倍晋三首相ら閣僚や経済団体トップ、企業経営者らが出席する政策会議。次回は「ローカル・アベノミクス」(地域経済活性化)をテーマに、農業、観光、サービス業の生産性向上を検討する。
農業はTPPを踏まえ、国内外の市場拡大や生産・流通コスト削減の在り方などを話し合う。
生産コスト削減では、土壌の状態をセンサーで検知し、肥料散布を適正量に自動制御するなどのICTについて、導入・普及に向け、どのような規制の運用基準の明確化が必要かなどを整理する。政府は農業の生産性拡大に貢献するICTの活用を重視しており、環境整備を本格化する考えだ。