閣議に臨む石原伸晃TPP担当相、安倍晋三首相、麻生太郎財務相(左から)=8日午前、首相官邸【拡大】
「わが国が率先して動き、早期発効に向けた機運を高めたい」。石原伸晃TPP担当相は同日の閣議後会見でこう強調し、6月1日の通常国会の会期末までに承認手続きを終える意向を示した。
だが、衆参両院で与党が過半を占め、順調に進むと思われていた手続きは、協定内容を熟知する甘利氏の辞任で審議の停滞が懸念されている。2月の衆院予算委員会では、甘利氏後任の石原氏や岩城光英法相がTPP関連の質問に対し、逐一、官僚の説明を受けてから答弁するなど右往左往。対応の不安定さが今後の審議に尾を引きそうだ。
また、自民党で1月から進めているTPPの農業対策に向けた議論は「提起された課題が事実でないこともあり、解決策が見えない」(農林水産省幹部)と指摘される。例えば、海外に比べ国内農機が高いとされた課題は、円安が進行した現在は大きな差がないことが判明。「課題を選別せず無理に解決策を出すと、いろいろなバランスを崩す」(同)と悲観的だ。