「増税延期」だけでは不十分 マイナス金利をテコに財政出動を (4/4ページ)

2016.3.13 07:20

 条件は整っている。日銀によるマイナス金利の最大の受益者は政府である。今月初め、10年物新規発行国債がマイナス金利になった。表面利率0・1%、額面100円の国債に101円25銭の値がついた。利子を払った後で100円あたり25銭の利益が政府に転がり込むわけで、これと同じ条件で10兆円分の国債を発行すれば政府に250億円の利益が転がり込む。買い手の金融機関が同額の損失を被るとの批判があるが、その金融機関は101円25銭より高い値で売れば利益を稼げる計算になる。日銀がマイナス金利政策を強化すれば、国債相場はさらに上昇するとの見込みが立つ。

 やみくもに国債を大増発せよというわけではない。政府は発行益付きで資金調達できる環境を生かして、民間に眠っている貯蓄を吸い上げ、成長分野に投入する「賢い」財政出動に撤すべきだ。その場しのぎのバラマキでは、企業や消費者を不安にさせる。航空宇宙・防衛、基礎研究、人材育成など「財源の制約」に縛られてきた国家の土台を拡充すべきだ。(編集委員)

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