石油資源開発の渡辺修社長は「今の原油価格の水準が3年続く前提で、各プロジェクトを見直している」と打ち明ける。
同様に国際石油開発帝石も16年3月期は開発・探鉱などの投資額を前期比で約5%減の88億6700万ドル(約1兆円)とし、来期も減らす見通しだ。由井誠二副社長は「(可能性の高い案件に)探鉱を厳選する」という。原油価格の低迷は、日本企業の新たな「日の丸油田」獲得の妨げとなっている。
◆投資停滞に危機感
原油など資源価格の下落を踏まえ、経産省は今年2月、ほぼ半年ぶりに総合資源エネルギー調査会の資源・燃料分科会を再開した。資源開発の停滞が懸念される中、新たな資源燃料政策を6月にも取りまとめるためだ。
委員を務めるJXホールディングスの木村康会長は「原油安で開発投資が滞れば、いずれ供給が足りなくなり、原油の高騰や安定調達に支障を来しかねない」と危機感を募らせる。
政府は16年度予算案に海外の石油・天然ガスの権益獲得費用として560億円を計上している。商社や資源企業が海外権益を取得する際に、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が共同出資する制度に充てるものだ。
しかし、産業界や有識者からは、JOGMECや国際協力銀行(JBIC)などを通じたリスクマネーの供給を、さらに拡大するよう求める声が相次いだ。資源投資に対する企業の懸念は根強く、新たな権益確保には、政府による開発資金の供給強化や税制面での優遇などの措置が不可欠だ。