通常の上期の平均的な執行率は7割弱。半年で8割を執行するのは、リーマン・ショック後の09年度と同水準の目標で、実現すれば、上期に1兆円以上が前倒し執行される見込み。
ただ、公共事業中心では低迷する消費のテコ入れ効果は大きくない。このため政府は前倒し目標の対象事業ではないが、15年度補正予算に盛り込んだ低所得の年金受給者に3万円を配る臨時給付金の給付も急ぎ、6月末までにほぼ全ての自治体で支給開始を目指す。一方、上期に執行が集中すると下期の執行分が減るため、16年度補正予算案の編成も検討して下期の政府支出の減少を防ぐ。
政府が、こうした積極的な財政出動方針を打ち出したのは、中国の景気減速懸念などを背景に経済の先行き不透明感が強まる中、機動的な対応が欠かせないと判断したためだ。さらに、サミットの議長国として、世界経済の安定に向けた主導役を日本政府が果たすという意思を示す狙いに加え、7月の参院選に向け、景気対策を重視する姿勢をアピールする思惑もある。