日銀は27~28日に開く金融政策決定会合で、追加の金融緩和の必要性について議論する公算が出てきた。「円高・株安の再燃」(エコノミスト)で世界景気の不安が意識されれば、企業や家計の物価観がさらに低下し、「平成29年度前半ごろ」としている2%物価目標の達成が遠のくからだ。
日銀が4日発表した企業の物価見通し調査によると、1年後の物価上昇率の見通しは昨年12月に比べ0・2ポイント低下の0・8%。0%台は平成26年の調査開始後初めてだ。
日銀も3月の政策決定会合の声明で、「予想物価上昇率(企業や家計が予想する将来の物価上昇率)はこのところ弱含んでいる」と認めた。物価見通しが低下すると、企業の投資や家計の消費が先延ばしされて、実際の物価も上がりにくくなる。
日銀はこうしたマインド悪化を受けて、28日に公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)で29年度1・8%としている物価見通しを下方修正すべきか議論する。2%達成の時期についても半年程度先延ばしする可能性がある。
ただ、日銀はこれらのリスクを考慮して1月に「マイナス金利政策」の導入を決めたばかりで、「現時点での追加緩和は時期尚早」との声も根強い。
一方、SMBC日興証券は6日、日銀がマイナス金利幅を0・1%拡大し、国債購入量を10兆円増やす追加緩和に踏み切った場合、「ドルに対して5円程度円安になる」との試算を明らかにした。日銀執行部は、会合直前まで金融市場に神経をとがらせそうだ。