円買いに拍車をかけたのが安倍晋三首相の発言。首相は米ウォールストリート・ジャーナルの取材に対し「外為市場で恣意(しい)的な介入は控えるべきだ」と述べたうえで、輸出で有利になるよう自国通貨を切り下げる「通貨安競争」は「断じて避けなければいけない」とも語った。5日にこの発言が伝わると日本政府の為替介入で円安に押し戻されることへの警戒感が薄れ、円高が加速した。
首相の発言の真意について菅氏は7日の会見で「長期にわたり為替の操作を続けていくことは適当ではないと指摘した」と火消しに回ったが、市場の反応は薄かった。
政府が、介入に慎重なのにはわけがある。2月に中国上海で開かれたG20会合で通貨安定に向けた国際協調策が焦点に浮上。来月には、世界経済情勢が最大のテーマとなる伊勢志摩サミットを控えており、円売り介入に踏み切れば、各国からの批判を受けるリスクは高い。