ところが、ルー長官がG20閉幕後の記者会見で、「最近は円高が進んでいるが、市場の秩序は保たれている」と麻生氏に反論し、「日本が(通貨安競争をしないと)改めて確約したのは重要」と牽制した。
円安ドル高は米製造業や輸出産業には悪影響のため修正を求める声が高まり、年初からは円高ドル安に転じていた。
さらに、最近のドル安で新興国市場の投資マネー流出は鈍化し始めており、日本を除く主要国や新興国には歓迎ムードも広がる。ルー長官が、円高阻止に動き始めた日本を突き放したのもこのためだ。
日銀は27、28日の金融政策決定会合で追加緩和の必要性を議論する。円高に手をこまねいていれば「打つ手なし」と市場に見透かされ、円を買う動きに拍車が掛かりそうだ。一方、追加緩和しても円高に歯止めが掛からなければ「金融緩和の限界」が意識されてしまう。
会合まで1週間余り。かつてない難局の中、日銀幹部は金融市場の動きに神経をとがらせている。
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一方、週明け18日の国債市場で、長期金利の指標である新発10年債の終値利回りが前週末より0.005%低いマイナス0.120%となり、終値としての過去最低を更新した。