自民党のクールジャパン戦略推進特命委員会は20日、今後の施策に関する提言案をまとめた。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、日本の魅力を海外に打ち出すための基盤づくりを重視。国際的に活躍する日本人アーティストや優良なコンテンツ作品を選定する制度の導入などを進め、邦画や音楽、アニメなどのコンテンツの国際発信力の強化を図る。提言書は近く、政府に提出する。
クールジャパンの担い手となる人材強化を図るため、国際的に活躍する日本人アーティストや映画監督などを認定し、支援する制度「クールジャパン・カリスマ100選」(仮称)を立ち上げる。また、映画や音楽、アニメなどジャンルごとに海外でも人気の高い日本作品を選定する「ジャパン・コンテンツ100選」(仮称)も設定。国が“お墨付き”を与えることでそれぞれのブランド力を高め、海外への情報発信を積極化させる狙いだ。
映画ロケなどの著作権処理を容易にするための「クールジャパン・コンテンツ特区」(仮称)の設置に加え、映画などの撮影場所誘致や撮影支援をする「ジャパン・フィルムコミッション」の海外事業を再構築し、政府が担当窓口を設置することなどで、海外からのロケ誘致の促進も図る。
委員長の山本一太参院議員は「クールジャパンが成長戦略につながる仕組みを作りたい」と強調。6月ごろに政府がまとめる「骨太方針」に、提言内容を盛り込みたい考えを示した。