黒田総裁は「金融政策に限界はない。必要となれば躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和する」と繰り返し発言しているが、今回、追加緩和を見送ったことで、デフレ脱却に向けた金融緩和は「長期戦」にかじを切ったようにもみえる。
会見で黒田総裁は、マイナス金利政策の効果の浸透には長い時間はかからないと主張する一方、日本経済の実力を示す潜在成長力は「政府の目標に遠い」とし、「企業の生産性を引き上げることが極めて重要だ」とも述べ、政府の成長戦略や企業の積極的な事業展開に期待を示した。
市場では金融政策のみで景気浮揚を狙うことの限界も意識されており、日銀内にも「国も歩調を合わせて財政出動してほしい」との声がくすぶる。
実際、3月の経済指標は、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年同月比0.3%下落、小売業の基調判断も「弱含み傾向」で推移。街角景気の先行き判断指数は2カ月連続で悪化している。
消費の現場では、値上げに踏み切った外食や衣料が不振で再値下げや割安商品の投入を余儀なくされるなど、デフレ再燃を懸念する声もあがる。日銀幹部も最近、値上げで目立つのはアイスなど一部の食品ぐらいと肩を落とす状況だ。