もう1つのリスクは、このところ弱含んでいる予想物価上昇率の動き。原油安で物価が伸び悩む中、「先行きの賃金上昇ペースには不確実性がある」とし、金融市場の混乱などが「企業がもう一歩前へ踏み出す動きを躊躇(ちゅうちょ)させた面がある」と分析した。日銀は、2月に導入したマイナス金利政策の効果を見極めるとして、4月の金融政策決定会合で追加緩和を見送った。ただ、今回の講演では「金融政策は機動的に行うことが持ち味。効果がはっきりするまで待つということはない」と釈明。「『量』『質』『金利』のいずれについても追加緩和の余地は十分にある」と従来通りの強気を貫いた。