円高進行のリスクものしかかる。日産自動車は2017年3月期の想定為替レートを1ドル=105円に設定した。前期から約15円の円高水準で、営業損益で約2500億円のマイナス要因になる。カルロス・ゴーン社長は「巨大なインパクトだ」と、警戒感を口にする。
個人消費も伸び悩んでいる。原油安、為替の乱高下や株安などの影響で、「年明け以降、消費マインドが冷え込んだ」(ヤマダ電機の岡本潤取締役)。牛丼の「すき家」を展開するゼンショーホールディングスの丹羽清彦グループ財経本部長によると、消費者の財布のひもは「ここにきてかなりしまっている」という。
期待された今春闘の賃上げ効果も限定的で、「先行きの不透明感が払拭できず、個人の消費意欲が減退し、むしろ貯蓄に回っている」(三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行社長)との指摘もある。