国民会議が今月18日まとめた「ニッポン1億総活躍プラン」では、「労働時間規制の見直し」に関し、労使で協定(三六協定)を結べば時間外や休日の労働が認められる制度の改正を進めるとした。
それでも、政府の雇用改革への「覚悟」は、強いといえそうにない。
昨年の国会から継続審議だった、脱時間給制度を盛り込んだ労働基準法改正案は今通常国会でも成立が見送られた。参院選を控え、「成果による賃金評価が長時間労働を助長する」との反発に配慮したためだ。
転職を簡単にして生産性の高い産業へ人材を集中できるようにする「人材流動化」に向けた制度改正も、「解雇が容易になる」という労働組合などの反対を受け、議論が遅々として進んでいない。
◇生乳流通自由化は見送り 農業表離反懸念
農業分野では、原案で示していた牛乳やバターの原料になる生乳の流通自由化が最終的に見送られた。生乳の需給調整や集荷、販売を担う指定生乳生産者団体(指定団体)制度を「廃止」するとの文言も消えた。生乳の価格や安定供給を損なうとして酪農家側の反対が強く、参院選での農業票離反を懸念する与党の考えも考慮し、具体案は秋までに示すとした。
答申では「制度の是非や現行の補給金の交付対象の在り方を含めた抜本的改革について検討し、結論を得る」と記した。また、近年のバター不足への対応として「国家貿易で輸入した乳製品の流通計画が不明確な場合には売り渡さない」ことなども盛り込んだ。
指定団体制度は、指定団体である農協に生乳を出荷しなければ国からの補給金を受け取れない仕組みで、生乳の流通量の97%は農協を経由している。規制改革会議は同制度について生産者の競争力強化を阻害するとして廃止を求めていた。
ただ、指定団体は、通常は高価格で売れる飲用牛乳を優先的に作り、余りをバターに回すなど乳製品の生産調整機能も担う。酪農家などは、制度が廃止されると供給が不安定になり、中小酪農家が打撃を受けるなどと反対を主張していた。