「ハニー・トラップ」といえば、主に女性スパイが対象として狙った男性を誘惑し、性的な関係を利用して脅迫したりすることで機密情報を引き出す諜報活動で、かつて東西冷戦時代に旧ソ連のKGBなどが用いたことで知られる。近年では、中国の“得意技”ともされ、英国秘密情報部「MI6」が、中国のそれを過激組織「イスラム国」(IS)よりも脅威だと報告してもいる。そんな中国で今、一般的なハニー・トラップとは逆パターンの諜報活動に警戒せよ、と注意を促すポスターが登場。「白人男性」に籠絡(ろうらく)される「中国人女性」をマンガで描いた分かりやすい内容で人民に警告しているのだ。習近平指導部は、こうした啓発活動で国外からのスパイ行為を防ごうとしているようだ。
ロマンス暗転…逮捕
このポスターに描かれているのは16コマのマンガで、タイトルは「デンジャラス・ラブ(危険な愛)」。AP通信などによると、北京の地下鉄駅などに貼り出されているという。
マンガの内容はこうだ。
登場人物は、中国政府の対外宣伝部に勤務するシャオ・リーと呼ばれる魅力的な若い中国人女性と、客員研究員を装った外国のスパイである赤毛の白人男性、デービッドの2人。