ソウルの日本大使館前の慰安婦像。足元には追悼プレートが新たに設置されている(名村隆寛撮影)【拡大】
【ソウル=名村隆寛】慰安婦の「最終的かつ不可逆的な解決」に向けた日韓合意に基づき、韓国政府が元慰安婦の支援を目的とした財団の設立準備に向けて動いている。日本としては、ソウルの日本大使館前に不法に設置された慰安婦像の撤去も、問題の最終的解決には不可欠だ。しかし、韓国政府は「財団設立とは別の問題」としており、撤去からはほど遠い状況だ。
日韓は20日にソウルで外務省の局長級協議を行い、財団の設立について話し合った。韓国外務省報道官は21日の記者会見で、「特に財団設立に向けた準備委員会発足の時期、任務、設立時の事業履行などを中心に意見交換があった」と説明した。
韓国政府は元慰安婦の女性と関連団体などの意見を収斂することを重要視し、「(元慰安婦らの)意見を最大限に反映して財団が設立できるよう最大限の努力をしている」(同報道官)という。現在、支援機関である女性家族省など、関連部署と協議し設立準備を進めているが、準備委員会の発足時や人選、財団設立の時期などは明らかにしていない。