水面下では主要国の足並みの乱れも目につく。口座情報を各国が自動的に交換し合う協定はパナマを含め101カ国・地域が参加する。ただ、独自に海外口座情報の入手制度を設ける米国は参加していない。また、BEPSをめぐっては欧州がより厳しい追加措置を提案したが、経済界が反発、日米が難色を示すなど対立も懸念される。
税制の抜け穴を突く企業や個人は後をたたず、穴を埋めるには、できるだけ多くの国に国際的な枠組みへの参加を促し、継続して課税ルールを強化する取り組みが欠かせない。具体策の議論でも、強固な国際協調が必要だ。(万福博之)