伊勢志摩サミットで笑顔で撮影に応じるG7各国首脳。(手前左から時計回りに)安倍首相、フランスのオランド大統領、キャメロン英首相、カナダのトルドー首相、ユンケル欧州委員長、トゥスクEU大統領、イタリアのレンツィ首相、ドイツのメルケル首相、オバマ米大統領=26日、三重県志摩市(代表撮影)【拡大】
27日閉幕した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は、先進7カ国(G7)が環境性能や耐久性に優れた「質の高いインフラ投資」推進のための原則を確認し、首脳宣言の付属文書として採択した。災害やテロなどに対応するには強靱な社会インフラが必要で、世界経済の成長にも欠かすことができない。アジアインフラ投資銀行(AIIB)などを通じ、新興国で影響力を強める中国に対抗する狙いもある。
首脳宣言では「質的な側面を欠いた投資は、自然災害や気候変動による脆弱性を有するインフラとなり得る」と強調。現地の雇用創出や技術移転などへの配慮も盛り込んだ。
安倍首相は27日の記者会見で、「世界の需要底上げのために質の高いインフラ投資による活性化が重要」と訴えた。同日には、G7首脳とアジアなど7カ国の首脳らによる拡大会合が三重県で開かれ、メコン地域を中心に橋や道路などのインフラ整備の重要性を指摘する声が上がったという。
日本がインフラ投資の「質」を重視する背景には、価格面で破格の条件を打ち出してくる中国を牽制する狙いがあり、「質重視」の理念普及を目指す。