足元では個人消費の低迷が予想以上に長引く。26年4月の消費税増税後、節約志向が強まった上、海外経済の減速で株安が進み「消費意欲が一段と冷えた」(内閣府幹部)からだ。
海外などの動向が31年10月にどの程度好転しているか予測するのは難しい。市場では内需を強化し、外部環境に左右されない強固な経済を作って、増税に備えるべきだとの声が上がる。
SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「企業の賃上げ」などにより、消費意欲の向上につなげるべきだと主張する。市場ではこのほか、成長戦略を進めて企業投資を拡大するほか、社会保障制度改革を通じて若者の将来不安をなくし、消費につなげるべきだなどの意見もある。
国内経済に関しては、東京五輪前の特需への期待もある。ただ、プラス効果は現時点で正確に見通しにくい。経済の強化に失敗し再び増税延期に追い込まれる事態になれば、日本財政への信認も失われかねない。