1月に欧米からの経済制裁を解除されたイランは「制裁で失ったシェアを取り戻す権利がある」とし、サウジアラビアやイラクから顧客を奪おうと増産に意欲を燃やしている。4月には生産量を日量356万バレルと1月に比べ50万バレル以上増やし、制裁前と同水準の400万バレルを目指している。アジア向けの輸出価格を値引きするなど、シェアの回復に躍起で、増産凍結に応じる気配はない。
需給調整による相場回復を重視してきたOPECの盟主サウジアラビアも、手っ取り早く収入を増やせる増産の誘惑に駆られている。
軍事費の増大などで火の車の財政事情に加え、ある程度の原油安を容認し、敵対関係にある米国のシェールオイル企業の採算を悪化させたいとの意向もある。低コストで競争力のある原油を生産できるサウジが増産すれば、生産コストが高いシェール陣営をさらに追い詰めることができる。