銀行は他の業種にはない特権が首相から認められている。製造業などはぎりぎりまで人件費や原材料などコストを切り詰めても、販売価格がどうにもならず、ときには原価割れを覚悟しなければならない。かたや銀行は、低コストの資金を預金者から集め、より高い金利で融資し、利ざやを確実に稼げる。おまけに日銀の当座預金口座に資金を寝かせたままで、銀行員が椅子に座ったままでも、大半は日銀から0・1%の利子が振り込まれる。バブル崩壊後には、総額で十数兆円の公的資金の注入も受けた。
どれもこれも、「国民経済の健全な発展に資する」(銀行法第1条)という銀行の公共性が、国家によって認められているからだ。
国債は金融市場の要である。金融市場が揺らげば、国全体の経済運営に支障をきたす。銀行が国債を購入して市場安定に貢献する。国民から集めた預金を源泉とする資金を政府に供給して、世の中にカネが回るようにするのは、銀行法の趣旨を引用するまでもない、銀行として当然の社会的義務のはずである。