三菱UFJの物言いは何よりも日銀政策を縛る。安倍政権内部からは日銀に国債の購入枠を100兆円に引き上げる追加緩和策を求める声はあっても、「マイナス金利については現状維持でやむなし」との声が聞こえるし、日銀側も政策決定会合の議題にも上げそうにない。
預金金利をマイナスにしにくい中で、マイナス金利幅を広げられると銀行の収益基盤が弱くなる。前述したように、既存の日銀当座預金の超過準備分は0・1%の利子がもらえるのだが、それを廃止されるだけで銀行界全体では年間約2100億円の収入が吹っ飛ぶ。
グラフは第2次安倍政権が発足した平成24年12月を起点に、銀行の国内外融資などの推移を追っている。国内銀行の貸し出しは最近になって増え始めたが、いま一つ力強さに欠ける。中堅・中小企業向け融資は信用保証協会による融資の80%保証など政府の支援策にもかかわらず、前年比で3%台の伸びにとどまっている。20%分の融資リスクにすら銀行は尻込みする。