日銀は16日、金融政策決定会合を開き、現行の金融緩和策を継続することを決めた。米利上げの先送りや英国の欧州連合(EU)離脱への懸念から投資家のリスク回避姿勢が強まり、急速に円高ドル安が進んでいるが、2月に導入したマイナス金利政策の効果を見極めるとして追加の金融緩和を見送った。
景気判断は4月会合の「基調としては緩やかな回復を続けている」を据え置いた。
マイナス金利政策の導入から4カ月が過ぎ、民間銀行では住宅ローンや貸し出しの金利を引き下げる動きが広がる。ただ、5月の国内銀行の貸出残高は前年同月比2・2%増にとどまり、個人消費や設備投資は力強さを欠く。
日銀は雇用や所得環境の改善から、消費や投資につながる経済の好循環が続いているとの見方だ。消費税率引き上げが2年半再延期されたことも物価上昇にプラスとみている。
英国の国民投票でEU離脱が多数を占めた場合の金融市場の混乱に備え、日銀は今回、追加緩和を温存したとみられる。