
福岡市内のホテルで開かれた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の小委員会=29日【拡大】
ただ、これまで未成魚を中心に漁獲規制を進めているが、資源量の劇的な回復には至っていない。有識者の間では成魚の保護も求める声があり、年齢を問わない全面禁漁も視野に入る。
4月に北太平洋マグロ類国際科学委員会(ISC)が発表した14年の太平洋クロマグロの成魚資源量は約1万7千トンで、漁がなかった時代の資源量の2・6%であることが判明。成魚量は過去最低の1984年の約1万1千トンに近い水準で、資源量は2年前にISCが行った評価の半分という危機的状況が露呈した。
WCPFCは2015年から30キロ未満の漁獲量を02~04年平均の半分に減らす規制を始めたが、「資源回復が顕著になった大西洋クロマグロのように成魚漁獲量の大幅削減など厳しい規制が必要」(漁業関係者)と指摘される。
産卵に来た成魚を大量に漁獲する巻き網漁の規制の必要性も議論されている。だが、巻き網漁は日本水産など世界的な水産企業の収入源なので団体などが反発し、水産庁の腰も重い。
国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されるクロマグロは、秋のワシントン条約会議で商業取引の規制案が提出される可能性も高まる。(西村利也)