
会見を開き築地市場移転の延期を表明する小池百合子東京都知事=31日午後、東京都新宿区の東京都庁(寺河内美奈撮影)【拡大】
ここで小池知事が見失ってはならない視点は、個別の問題を掘り下げることも重要だが、都の財政が再開発に大きく頼っている構造である。神戸湾内に人工島のポートアイランドなどを建設した「株式会社神戸市」にならっていうならば、「株式会社東京」は再開発至上主義に陥っている。
都市整備局によれば、都内の再開発地区は2015年7月末時点で219地区。都の税収を税目別の構成比率でみると、法人事業税・法人住民税と個人都民税は、経済の動向を反映して伸縮が著しい。
これに対して、再開発に伴って増える固定資産税・都市計画税は3割前後で安定している。15年度において都税収入の総額5兆216億円のうち、固定資産税が1兆1254億円、都市計画税が約2174億円に上る。
都が主導する再開発計画によって、インフラの整備を進めれば地域の地価が高騰して固定資産税・都市計画税が安定的に入る。開発業者にとっては道路や地下鉄の延伸は大きなメリットである。再開発の認可には都議会が力を持つ。都の官僚たちにとっては人件費の確保につながり、天下り先が生まれる可能性もある。