【高論卓説】再開発至上主義に陥る「株式会社東京都」 築地移転延期と新国立問題の深層 (3/3ページ)

会見を開き築地市場移転の延期を表明する小池百合子東京都知事=31日午後、東京都新宿区の東京都庁(寺河内美奈撮影)
会見を開き築地市場移転の延期を表明する小池百合子東京都知事=31日午後、東京都新宿区の東京都庁(寺河内美奈撮影)【拡大】

 新国立競技場の建設に伴って、都は周囲の再開発予定地区の容積率を増大させた。豊洲市場に向かう環状2号線は、そもそも関東大震災後の帝都復興計画に遡(さかのぼ)る。新橋から神田佐久間町までの約9.2キロだったのが、1993年に起点が江東区有明に延伸された。

 再開発至上主義の構造から脱却するには「成熟都市」や「安心・安全」といった美辞麗句が並んだ都の「東京都長期ビジョン」ではなく、都市計画の大きな目標を掲げた見取り図が必要である。さらに、海外で成功した都市計画について、北海道大学の越沢明名誉教授は「インフラ整備の負担を一定のルールに従って受益者(地権者)に課すことが多い」と述べている。

【プロフィル】田部康喜

 たべ・こうき 東日本国際大学客員教授、シンクタンク代表。東北大卒。ソフトバンク広報室長などを経て現職。62歳。