基準地価、仙台や広島など三大都市圏上回る上昇率 訪日需要“追い風”に (4/4ページ)

三菱地所が開発した複合ビル「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」=東京・大手町
三菱地所が開発した複合ビル「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」=東京・大手町【拡大】

 資金を得たJリートは都市部の不動産だけでなく、比較的手ごろな価格で今後の価格上昇が見込める物件にも分散投資する。三菱UFJ信託銀行の大溝日出夫・不動産コンサルティング部課長は「マイナス金利であふれたマネーが、再開発などで利便性が高まった地方中核都市に流入している」と分析する。

 ただ、潤沢なマネーに支えられた市場は景気次第で冷え込む危険性もはらむ。不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)によると、昨年上半期の商業用不動産の直接投資額で世界3位だった東京は今年上期に5位まで転落。都心部も優勝劣敗の動きが始まっている。住友商事は2018年秋をめどに地下鉄1路線の中央区晴海を離れ、大手町に本社を移転する。同社は「社員の利便性を考慮した」と話す。

 JLLの大東雄人アソシエイトダイレクターは「景気の足踏みで、投資に見合った利回りが得られなければ不動産市場は縮小しかねない。地価上昇を継続させるには金融政策だけでなく、実体経済の活性化が必要」と指摘している。(佐久間修志)