橋下維新“お荷物タワー”の行方 「このままでは本当に負の遺産になってしまう」 (4/6ページ)

橋下徹氏が大阪府知事時代に購入した第2庁舎「咲洲庁舎」。いまなお赤字続きの「お荷物」となっているが、橋下維新の〝象徴〟を手放すわけにはいかず、今ではホテル転用案も浮上している
橋下徹氏が大阪府知事時代に購入した第2庁舎「咲洲庁舎」。いまなお赤字続きの「お荷物」となっているが、橋下維新の〝象徴〟を手放すわけにはいかず、今ではホテル転用案も浮上している【拡大】

 ホテル転用は起死回生策か?

 高層ビルならではの防災上の弱点も浮上した。

 23年3月に発生した東日本大震災。建物をゆっくりと揺らす「長周期地震動」で、震源から約770キロも離れた庁舎は約10分間、最大2・7メートル揺れ、天井など360カ所が破損した。

 安全性が問題視され、当初の全面移転は完全に断念。府は、将来発生が想定されている南海トラフ巨大地震などに対応するため、約25億円かけて制震装置「ダンパー」約300台を取り付ける措置を取った。ところが、その後、国が南海トラフの想定規模を拡大し、より強固な補強策が必要になった。

 専門家から意見を仰いだ結果、今年8月に約18億円でさらにダンパー約270台追加することを決定。31年度までに工事は完了する予定だが、耐震はできたとしても、南海トラフ発生時には庁舎周辺は津波の浸水域となり、防災拠点にはできない。津波警報が発令されれば職員は結局、老朽化の進む大手前庁舎に集まることになる。

 これらの難題にも、松井知事は「人が集まれば周辺のにぎわいも作れる。庁舎の空室も埋まる」と自信を見せる。府は現在、7~17階をホテルに転用する案を検討中。9月中に関心のある事業者を把握し、実現性を探る。

大阪市の地区計画では、咲洲庁舎での宿泊施設営業は用途外だが…