
シンポジウムで講演する日銀の黒田総裁=21日午後、東京都港区【拡大】
日銀の黒田東彦総裁は、金融政策について、短期間に成果を上げる当初の方針を転換し、長期戦を見据えた戦略に切り替えたとみられる。2%の物価上昇目標の達成時期を先送りする検討に入ったのは、その表れだ。
ただ、目標時期を先送りすれば、平成30年4月までの黒田総裁の任期中の達成が事実上困難となる。現在の金融政策が、後任の総裁にも十分に引き継がれるかは不透明だ。
黒田総裁は「私の任期と、成長率、物価がどうなるかということとは特別な関係がない」と述べ、任期後も「日銀として物価安定を達成しなければならない使命は引き続きある」と強調。粘り強く政策を続けることの意義を強調した。
黒田総裁は25年の時点で「2%目標を2年程度で達成する」と宣言した。だがその後4度にわたり延期を重ね「29年度中」まで達成時期をずれ込ませていた。
日銀は、9月の金融政策決定会合で「量」から「金利」に軸足を移す金融政策に枠組みを修正した。金融政策の持続性を狙った措置だ。日銀は中長期のスパンで目標達成を果たす構えだが、市場は「金融政策の後退」と嫌気する懸念もある。