【ユーロ経済学】英EU離脱交渉 “先例”はスイス 移民抑制、市場アクセス切り離し狙う (2/3ページ)

 英国離脱問題では、EU域内出身の移民を制限しながら、単一市場へのアクセスを維持したい英国に対し、EUは単一市場へのアクセスは「人、モノ、サービス、資本」の4つの「移動の自由」の原則受け入れとセットと主張。焦点はスイスの事例と類似し、その解決策は「英国との交渉の前例となる可能性がある」(英メディア)と注目されている。

 ユンケル氏が前向き姿勢を示したスイスの解決案とはどのようなものか。報道によると、雇用情勢が悪化した場合など緊急時には、企業は滞在許可を持つ外国人を含め、スイス国内での労働者調達を優先させるとの内容。移民制限とはほど遠いのが実情だ。EU筋はこの案についてスイス限定であり、英国に適用されるものではないとするが、一方でユンケル氏はこうも語る。「スイスと協議しているが、英国も心にとめている。問題は相互に関連するからだ」。英国との交渉を見据えれば、スイスに譲歩できない。その言葉は英国への牽制(けんせい)のように響く。

 一方、英国は警戒感を示す。ノルウェーやスイスなどEU非加盟国の協定がモデルに取り沙汰されるが、メイ氏はいずれとも異なる独自の協定を目指す。英メディアによると、英政府報道担当者は「先に一方的な立場を示すのは誤りだ」と、先手を打つかのようなユンケル氏の発言に不快感を示した。

英国とEUのはざまで苦しいのはスイスだ