最新スマホ事実上の値上げ 総務省、販売ガイドライン改正案公表

 総務省は18日、スマートフォンの過剰な値引き販売の是正などを求めるガイドライン(指針)の改正案を公表した。最新スマホの実質価格を「2年前に発売された同じメーカーの同型機種の下取り価格以上」とし、事実上の値上げを求める。また「実質0円」での販売禁止の規制も強化する。来月19日まで意見募集し、2017年1月上旬に改正する。

 下取り価格以上とする改正は17年6月以降に発売された端末から適用するが、例えば今年9月に売り出された米アップルの「iPhone(アイフォーン)7」で想定すると、大手各社は現在、実質1万円程度で販売しているが、適用後は2万円前後に跳ね上がる計算だ。

 「実質0円」の規制強化では、週末や年末年始など期間限定で代理店に積み増す奨励金による割引を禁止する。17年2月から適用する。また、大手各社が自社回線以外で端末を利用できなくするように設定している「SIMロック」は、購入して約100日たてば解除に応じるよう求める。現在は購入後半年しないと解除できないように設定している。17年8月以降の端末から適用する。

 総務省は今年3月、行き過ぎた値引き販売が通信料金の高止まりや端末を買い替えない長期利用者との間の不公平感につながっているとして、スマホ端末の「実質0円」を禁じる指針を策定した。しかし、不適切な販売は改まらず、4月の行政指導に続き、10月には行政処分を出す事態にまでなり、総務省の有識者会議で対応を検討していた。

 携帯各社は「内容を精査して意見を述べる」などとコメントしている。