料理の具材としても活用
韓国でなぜ、これほどインスタントラーメンが好まれているのか。
協会の桜井功男(のりお)事務局長は「韓国では、日本のようにラーメン店で食べるラーメンはほとんどなく、『ラーメン』イコール『即席麺』であることが大きい」と話す。また「韓国では朝食でも、外食でも即席麺を食べる。鍋にも入れるが、麺は日本より太く、煮込んでもコシがある」と指摘する。
確かに、韓国では、プデチゲという辛い鍋料理に定番として即席麺が入っているほか、ほかの鍋料理にも使われ、スーパーでは具材としてスープなしの即席麺が売られている。学校の食堂や粉食(プンシク)と呼ばれる軽食店では必須のメニューだ。コンビニにイートインコーナーもあり、多くの人がカップ麺に湯を注いで食べている。
また日本の袋麺のインスタントラーメンは最後にスープを入れるのが普通だが、韓国は違う。最初にスープを入れてから煮込むのが普通で、ゆで時間も日本よりもやや長い4~5分程度だ。
一方、韓国料理研究家の本田朋美さんは「韓国のスープ文化が関係している」と分析する。「韓国の食はまずスープというところがある。サムゲタンやクッパ、テールスープ、スンドゥブチゲ、キムチチゲなど主菜がスープ類。こうした食文化に、インスタントラーメンが合致したのではないか。日本ではラーメンのスープを残す人もいるが、韓国ではスープを残さず飲む」と指摘する。さらに、「辛い食べ物ですっきりするという感覚もあるため、激辛ラーメンが受けているのだろう」と話す。