「週5回」「1日3回」…即席ラーメン消費、韓国が世界ダントツ1位のワケ (5/5ページ)


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  • 韓国シェアトップを続ける激辛味の「辛ラーメン」(農心提供)
  • 韓国内のシェアトップを続ける激辛味の「辛ラーメン」(農心提供)
  • インスタントラーメンを具材として使うプデチゲ(韓国観光公社提供)
  • 韓国の即席麺の数々。右上の黄色い包装の商品がスープなしの具材用

 ちなみに、アジア以外の15年の1人あたりの消費量は、ニュージーランド(18・9食)やオーストラリア(15・4食)、米国(13・6食)、ロシア(12・6食)などは比較的多い。ドイツ(2・2食)やフランス(0・9食)、スペイン(1・1食)などヨーロッパ各国は概して低かった。

 チキンラーメン発明5年後に韓国へ…

 韓国初のインスタントラーメンが発売されたのは、元祖のチキンラーメンが登場して5年後の1963年に発売された三養(サミャン)食品の「三養ラーメン」。日本の明星食品から技術提供を受け誕生したが、現在の韓国で最も高い人気を集めているのは農心(ノンシム)の「辛ラーメン」だ。

 農心によると、86年に発売され、91年に国内シェア1位となり、2015年まで25年連続でトップを維持しているという。前述したように激辛が特徴で、麺は日本のものよりやや太く、牛肉スープ味だ。

 農心の広報担当者は「辛ラーメンが発売されるまで、韓国には、あまり辛いインスタントラーメンはなかった」という。現在、韓国の即席麺市場は激辛麺が席巻しているが、当時は状況が違っていた。担当者は「辛く、ヒリヒリする味をつくり出し、韓国人を魅了した。スープにコクのあるうまみを出した」と説明し、「辛ラーメンの総販売量は約280億個、麺の長さで14億キロに達する」と強調した。

 辛ラーメンは世界約100カ国に輸出されており、日本では、現地法人の「農心ジャパン」が平成14(2002)年に設立された。辛ラーメンは韓流ブームもあって売り上げを伸ばし、最近ではスーパーでも簡単に買えるようになっている。

 なぜ日本人にうけているのだろうか。

 農心の関係者は「やはり辛いものがブームになっていることが大きい。日本の即席麺メーカーも激辛商品を出している」という。さらに「辛ラーメンはただ辛いだけではなく、辛さの後にうまみが来る。スープも煮込んでこそ味が出るようになっている。袋麺のパッケージに最初にスープを入れるよう調理法を説明しているのも、そのためだ」と話す。