
税調総会に臨む自民党の宮沢洋一税制調査会長(右)と茂木敏充政調会長。配偶者控除の抜本見直しを打ち上げた2人だが、思惑通りに議論は進まなかった=11月21日、東京・永田町の自民党本部【拡大】
官房長官が「引導」
宮沢氏らが前のめりになったのには訳がある。主税局長から35年ぶりに就任した財務省の佐藤慎一事務次官が夫婦控除の創設案に意欲を燃やし、説明に回っていたためだ。
ただ、財務省内にも夫婦控除には慎重論があり、一枚岩といえない状況だった。夫婦控除導入による税収減を穴埋めするには、代わりに中所得者まで増税を強いる可能性があり、幹部の中にも「政治的に難しい」との意見が少なくなかった。
「(抜本的な見直しは)時間がかかる」
公明党とのパイプを持ち、政権内で発言力の強い菅義偉官房長官が公言するようになると、宮沢氏や佐藤氏は受け入れる以外なかった。
首相ですら手を触れることができない「聖域」とされた自民税調だが、一昨年の法人税改革、昨年の消費税率10%時の軽減税率導入で、官邸や公明党に押し込まれた。そして今年も。 いつか見た風景は繰り返された。(万福博之)