ミスター・スタバに熱い視線 次の米大統領選に出馬? 「打倒トランプ」の期待 (2/3ページ)

 その一方で、シュルツ氏は一風変わった経営者でもある。政治や社会で自身がおかしいと思った問題には黙っていられないのだ。女性や人種での差別、賃金格差、退役軍人の困窮…その関心は実に幅広い。実際、シュルツ氏は米軍基地の近隣で出店し、就職フェアで失業中の若者の雇用を進めた。東日本大震災の後には東北を訪れてもいる。

 シュルツ氏自身、米国人がこよなく愛するアメリカンドリームの体現者でもある。「貧しい家庭に生まれ、働きながら大学を卒業した。私が見たいのは誰にもチャンスがある米国だ」と、米誌フォーブスのインタビューに答えている。

 そんな姿勢が好感されてか、今回の大統領選でも候補に取り沙汰された。本人はトランプ氏に敗れたクリントン元国務長官を支持したが、9月にはCNNの番組で視聴者から「大統領選に出馬する気があるのか」と直球で質問され、「僕はまだ若い。この先どうなるか不明だ」とこれまた意味深げな返答をしている。

 次期大統領が決まったばかりなのにずいぶん気が早い話と思われるかもしれないが、実はそうでもない。理由はいくつもある。

 まず、そもそも長丁場である米大統領選は、よくマラソンレースにたとえられる。候補者選びから予備選を含めて実質1~2年程度に及ぶが、さまざまな関係者の思惑が交錯し、「極端な話、選挙が終わればもう次の選挙がスタートしている」(米議会関係者)とまでいわれる。

 とくに直近の選挙で敗北した政党の場合、政権奪回への支持者からの突き上げもあり、その危機感や巻き返しへの意気込みはハンパなものではない。今回の場合は民主党だ。選挙前もクリントン氏有利と伝える報道は多かったが、まさかの落選で陣営は青ざめた。

「打倒トランプ」の切り札?