支持者の民主党指導部への不満は甚大だ。次こそは失敗できないと指導部が焦るのも無理はない。
また、トランプ次期大統領の発言や政策に国内外で批判が高まるなか、1期4年は保証されたとしても、「再選は厳しい」(エコノミスト)との見方が根強く、「次回大統領選では引きずり下ろせる」(議会関係者)とのもくろみが民主党内にもあるようだ。
ただ、シュルツ氏が民主党と親密かといえば、これがそうでもない。シュルツ氏はかつて現職議員への政治献金を打ち切ると発表し、友人の経営者にも呼びかけたが、その対象には民主党議員も含まれていたのだ。その理由をシュルツ氏は「(議員らは)国民の福祉より党派やイデオロギーを優先している」と米メディアに語っている。
「打倒トランプ」の切り札としたい民主党としても、シュルツ氏を担ぐのは容易ではない。本人に政治や行政での経験がないこともトランプ氏と同様だ。
また、シュルツ氏は2008年にもいったんCEOを退任しているが、業績が悪化したため復帰した経緯がある。要は根っからの「スタバファン」(外食関係者)なのだ。今回もCEOは退くが会長にはとどまる。
とはいえ、同じビジネス界出身のトランプ氏に対する対抗馬として、「シュルツ氏は悪いタマではない」(シンクタンク関係者)との声はある。政界の素人としての批判にも、トランプ氏だって大統領になれる、との反論が聞こえてくる。
はたして半生にして伝説と化した外食の風雲児は、さらなる挑戦を選ぶのか。その一挙手一投足から目を離せない。(柿内公輔)