
小型家電リサイクル制度の仕組み【拡大】
リサイクル業者が引き取りに消極的になっている背景には、世界経済の減速に伴う需要減で、制度開始当初には想定できなかった資源価格の下落がある。環境省によると、再資源化される金属全体の90%近くを占める鉄は、5年前と比べマイナス58%。銅は53%、銀も34%下がった。
収集運搬や一時保管にかかる費用を差し引くと、業者が赤字になるケースも多い。経産省が認定業者を対象に実施したアンケートでは約60%が「採算が取れない」と回答。ある自治体の担当者は「今後も資源価格が下がり続ければ、業者のコストの一部を負担せざるを得ない」と懸念する。
こうした中、業者へ多くの廃棄物を効率的に引き渡すため、回収方法に工夫を凝らす自治体も出ており、環境省はモデル事例として全国への拡大を目指している。
専用ボックス奏功
岡山市は、公共施設や家電量販店など100カ所以上に専用ボックスを設置。回収や運搬を認定業者が直接担うことで、市の負担を抑えつつ、回収量を増やすことができた。長野市や京都市も、電器店と提携した取り組みで実績を上げている。
隣接する福島県桑折町と国見町は昨年度、共同で収集運搬する実証事業に取り組み、費用が単独で実施する場合の3分の1程度に減った。
環境省は、携帯電話などの個人情報漏洩防止策として、専用ボックスによる回収以外に、一般ごみと一緒に集めるピックアップ方式の導入を後押ししている。自治体が直接集めることで、住民に安心して廃棄してもらう狙いだ。宅配便を利用して認定業者に直送できる仕組みを設ける自治体も多い。