来年は「ポスト黒田」で話題持ちきりに 日銀総裁人事早くもうごめく思惑 (2/3ページ)

 第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは本田氏の総裁就任確率を「45%」と見る。その理由は「次期総裁の任期中には、消費税増税の延期問題が必ずまた出てくる。そのときのことを考えて、首相周辺は増税先送りを援護してくれそうな本田氏を推すのではないか」(藤代氏)というものだ。

 学者枠では、米コロンビア大教授の伊藤隆敏氏の名前が挙がっている。中央銀行が物価上昇目標を掲げる「インフレターゲット論」の主唱者として広く知られているためだ。

 日銀プロパーでは、金融市場局長などを歴任した副総裁の中曽宏氏のほか、企画局長などを歴任した理事の雨宮正佳氏の名前が取り沙汰されている。「30年3月に任期満了を迎える2人の副総裁の席に、伊藤氏と雨宮氏が就くのではないか」との見方も浮上している。

 安倍政権の長期政権への道が想定される中、黒田総裁の続投も選択肢の一つとなりそうだ。ただ、現在72歳の黒田総裁がさらに5年もの間、日銀総裁の激務を続けたいと考えるかは分からない。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「黒田総裁の再任・交代の確率は五分五分」と話す。

 日銀にとってこの1年は激動の年だった。

 ある日銀マンは「いい面と悪い面の両方あるだろうが、日銀の金融政策そのものがこれほど脚光を浴びたことはなかった」と漏らす。

マイナス金利で収益が圧迫された金融機関は反発を強めた