マイナス金利の導入で市場金利が想定外に下がり、収益が圧迫された金融機関は反発を強めた。長期金利の操作も始めるなど、異例の手を尽くしても、日銀の思い通りに物価や経済が上向かないことで、永田町では野党の日銀に対する追及が厳しくなった。黒田総裁が今年、国会に呼ばれた日数は50日を超えた。
日銀に対する国民の関心もかつてないほど高まった。「マイナス金利」は今年の「新語・流行語大賞」のトップテン入り。「今年の漢字」に「金」が選ばれた理由の一つにも、マイナス金利が挙がった。
国内経済の持ち直しに加え、米国の1年ぶりの利上げや「トランプ相場」の助けもあって、今では日銀への追加緩和圧力は見られなくなった。この状況が続けば、29年は日銀をめぐり政策の中身よりも、黒田総裁の後任人事への関心が高まりそうだ。(経済本部 米沢文)