トランプ氏は新興企業が嫌い? 米国の株式相場は政治を先読み (4/4ページ)


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 ウォール街には、「FANG」と呼ばれるナスダック指数を代表する成長企業群がある。アマゾン、フェイスブックに加えて、有料動画配信最大手のネットフリックス、ネット検索のアルファベットの4社を指す。

 「FANG」の合計従業員数を最終利益の総額(100万ドル単位)で割ると11人。一方のダウ平均銘柄で23人。「FANG」はダウ平均銘柄の半分の割合でしか、利益に対して雇用を生んでいない。

 19世紀初めの英国では、労働者が「ラッダイト」と呼ばれる産業革命に抵抗する運動を展開した。労働者は当時のハイテク機器だった紡織機を破壊した。

 トランプ氏に対する米労働者階級の支持活動も「ラッダイト」に通じるものがある。雇用の輸出や格差拡大に対する不満が根底にあった。

 「雇用を米国に取り戻す」と訴えるトランプ氏。労働集約的なダウ平均銘柄に有利な政策を打ち出し、シリコンバレーの企業群を敵視するのは自然の流れだ。

 例えば、トランプ氏は大型の法人減税を約束しているが、新興企業は、減税のメリットを享受しにくい。税法上の利益をほとんど生んでいない銘柄が多いためだ。株式相場は次期政権の政策効果を先読みしているのである。(ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇)