
篠原尚之氏(田村龍彦撮影)【拡大】
為替の話は財務長官をはじめ米財務省の体制が固まってから、議論を積み重ねていく方がいい。
トランプ政権は、閣僚の陣容がまだ決まっていないから、慌てる必要はない。経済政策の司令塔もはっきりしていない。(米大統領の任期である)最低4年は政権が続くわけだから、日本は手柄を急がないことだ。
(10日の日米首脳会談で重要になるのは)「両国の経済関係が順調であることは互いに望ましい」というメッセージを出すことだろう。日本政府は「貿易は双方にメリットがあり、いいことだ」と言い続けるしかない。
今の段階で、トランプ氏に自由貿易やTPPが大事だといっても馬の耳に念仏だ。首脳同士の信頼関係の構築は重要だが、トヨタ自動車を何とかしてくれとか付け入られるのは困る。
米国が本当に何をするのかを見極めなければ、軽々に(日本によるインフラ投資など)“お土産”を出しても仕方がない。トランプ氏が掲げる雇用の拡大は容易ではなく、いずれ困った状態になる可能性がある。貿易問題で中国にどう出るかも見えていない。
悪いシナリオは、トランプ氏が進める景気刺激策のプラスより、貿易問題によるマイナスが大きくなってしまうことだ。