そこで、頼りにせざるを得ないのは日本である。日本は産業界と金融界合計で600兆円以上の余剰資金を持つ。公的年金基金の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は世界最大の200兆円もの年金資産を運用している。
これらの資金の1割でも米国に投じられると、米金融市場は安定するし、金利高騰は避けられる。トランプ政権は安心して対中強硬策をとれるようになるだろう。
日本は対米通商摩擦を恐れる必要はない。トランプ政権は安倍政権の協力を何よりも必要にしているからだ。その折衝役を務めるのは知日派のロス商務長官になるはずだ。
10日に予定される日米首脳会談で、安倍晋三首相は日米共通の通商・安全保障戦略目標が中国であることを確認したうえで、日本の対米金融協調の意義を説くべきだ。ほこりまみれの「日米通商摩擦」なぞに気をとられる場合ではない。(産経新聞特別記者 田村秀男)