【田村秀男の経済から世界を読む】習近平党政権はトランプ米強硬策に耐えられるか (2/2ページ)

2017.3.6 13:00

中国の資金流出と米株価
中国の資金流出と米株価【拡大】

 ◆実質は対外債務国

 中国人民銀行は人民元防衛のために外貨準備を取り崩す。3兆ドル弱の外準は中国の対外負債4.7兆ドルを大きく下回り、実質的には対外債務国だ。アジアインフラ投資銀行(AIIB)を主導し、全アジアを北京の影響下に置こうとするもくろみは危うい。

 グラフは、中国からの資金流出と米株価の推移である。昨年秋からの米株価の上昇は「トランプ・ラリー」と呼ばれる。トランプ氏のインフラ投資、法人税減税路線の先取りによるとの見方だが、実際には中国の逃避マネーによって押し上げられた株価が飛躍したようだ。中国からの資金流出額は昨年12月には2895億ドル(昨年10~12月の合計額)と、半年前の1508億ドル(昨年4~6月の合計額)から約2倍に膨らんだ。この間に米株価は1200ドル弱上昇した。トランプ政権は図らずも中国のマネーパワーを吸い取っている。

 北京は資金流出や人民元暴落阻止に向け、旅行者による海外での「爆買い」禁止などを打ち出しているが、小手先では対応仕切れない。金融を引き締めると国内景気が持たない。逆に、銀行融資を急増させて不動産相場の下支えや地方政府のインフラ投資の後押しに躍起になっているが、結果は地方政府や企業債務の膨張、すなわち人民元マネーバブルであり、暴落不安がつきまとう。習近平党総書記(国家主席)は全人代でどんな答えを示すだろうか。(産経新聞特別記者)

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