カンボジア、背後に中国の影 野党党首逮捕、英字新聞は廃刊 「親米」への弾圧続く (1/3ページ)

 カンボジアの最大野党「カンボジア救国党」のケム・ソカー党首が3日未明、逮捕された。現地紙などによると、外国勢力と共謀して国家反逆を企てた疑いとされ、首都プノンペンから離れたトボンクモン州で身柄を拘束されている。カンボジアではフン・セン首相による野党勢力の抑圧が続いており、特に外国系メディアや非政府組織(NGO)への弾圧は国際的な非難を浴びている。

 与党離れ急進

 ケム・ソカー党首の逮捕は突然だった。党首が2014年にオーストラリアの支持者に語った動画が、インターネット交流サイトのフェイスブックに投稿された直後に、警察が踏み込んだという。動画の内容は、ケム・ソカー氏がオーストラリアのテレビ番組に出演し「13年以降、カンボジアに変革をもたらすため、米国政府が私を支援してくれている」と語っているものだった。

 カンボジアでは13年、国民議会選挙(定数123)が実施され、フン・セン首相率いる与党「カンボジア人民党」が、救国党の予想外の猛追を受け苦戦した。与党は90議席から大幅に減らす68議席、野党は29議席から大躍進の55議席を獲得した。さらに、今年6月に実施された地方選挙(比例代表制)では投票率が90%にまで伸びた末に、両党の得票率が与党53.7%、野党46.3%と拮抗(きっこう)した。

 与党離れが急速に進むなかで、18年7月には再び国民議会選挙が実施される。与党の焦りはピークに達しており、国際的な批判をものともしない強硬手段を打ち出している、とみられている。

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