首相は北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射した北朝鮮対応にも力を入れた。「北朝鮮の脅威にいかにして日本国民の命と幸せな暮らしを守り抜くかを問う選挙だ」と訴え、4分の1を対北政策に使った。
公明党の山口那津男代表も経済問題に時間を割く。神戸市での演説で消費税増税に伴い導入する食料品などの軽減税率に触れ「自民党にも反対する人がいたが、粘り強く説得して実現したのは公明党」と強調した。演説場所にある「鉄人28号」像を前に主題歌の替え歌も熱唱し、「手を握れ、自民と公明。たたきつぶせ、立民、共産」と野党を挑発した。
一方、小池氏の演説で目立ってきたのは、首相への直接的な批判だ。東京・池袋の演説では「北朝鮮情勢? そもそもこんな時期に衆院解散するなよ、という話だ。よほど不都合なことを隠したいのでないか。このまま『安倍1強』政治を許すのか否か」と訴えた。
首相攻撃で劣勢を打開したい意図が見える小池氏は消費税増税凍結を強調する時間も増やしたが、「現実的な安全保障法制」を掲げる外交・安保政策には触れなかった。